2003.5.22

 ああ、やはり役人は下々のことを見ていない

http://www.atmarkit.co.jp/news/200305/22/meti.html
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 経済産業省の役人がしゃべった内容がある。
 なんでも、「ソフトを供給して、サービス・メンテで収益を上げろ」だと。
 あんたねえ。そりゃあ顧客が大企業の場合はそうかもしれないよ。元々ソフトを売っているだけの所とか。
 でも、現実世の中の大半は違う。
 そりゃあね。市場規模は小さいよ。でもね、ほとんどの人はその中で生きてるのよ。
 ただでさえこの不況は中小零細企業にこそ大きな波となって襲いかかっているのに、サービス・メンテなんて言う保守関連の契約を誰が結んでくれると言うのだい?
 たとえ保守契約を結んでくれても、その絶対金額は少なくしないと契約してくれないので、利益は微々たる物だ。最悪続けることさえできない場合もある。
 大企業はね、リストラだの早期退職だの経費削減だのする余地があって効果もある。中小零細企業は、リストラしてもいい人間はほとんどいないし早期退職も同様、経費削減しても月に何万円も変わらないぐらい既に切りつめている。
 そんな中小零細企業に対して高利益(つまり高額)の保守契約を結んでくれって言っても無理やん。
 そうすると、うちらの様なソフトハウスは、開発費で利益を上げるしかない。
 サービス・メンテが利益が少ないかほとんど無いので、できるだけ手離れの良い物を作らなくてはいけない。
 つまり、物を売って儲ける商売を続けるしかないのだ。

 他に、企業が Linuxを導入しない理由のことも書いてある。「知識・ノウハウ不足」だと。そりゃそうだ。自分の仕事に関わらないことなんか知らない人が多い。じゃあそれを補うために、外注してまで導入するのか?と言えば、値段次第だろう。ほとんどの人はこう考えるはずだ。「なんでただのソフトを使うのにそんな高い値段出さなあかんの?」と。使う人、保守する人の人件費がどのぐらいなんて考えてくれない人が多い。やはり物の値段という考え方は抜きがたい。

 あと、日本がリーダーシップをとって開発したオープンソースソフトが少ないと言っている。
 はいはい、じゃああんたはボランティアをしてるかい?それもかなりの時間を使って。
 基本的にアメリカとかでボランティアが盛んなのは貧富の差が激しいからだ。はっきり言って本当の貧乏人はボランティアされる側に立つことはあっても、ボランティアする側には立たない。貧乏から脱却した時点でボランティアしようという気になるのだ。
 かなりの時間を使ってボランティアできる人間は、お金もあるのだ。ぼったくり商売でない限り仕事も多いだろうが、余暇として使える時間も多い。日本とは比べ物にならないぐらいの時間が休みなのだ。
 物価も日本に比べて安いから、金銭的余裕も生まれ、休みを取りやすいのだ。
 あの有名な人物だって、昔は、何ヶ月か仕事をしてお金を得てはまた何ヶ月かボランティアをするという感じだったらしい。今はどうしているのかは知らないが。
 だいたいが日本の社会がそういうことを許さないだろ?貧富の差は大きくあるが、中間層が多い日本では、余暇に回せる時間が少ないのだ。そんな暇もないし金銭的余裕がないから。(お金があるからって海外に行って馬鹿みたいにお金を落として返ってくる奴は最低だ)
 お金持ちはお金持ちでお金を使わない。株なんて言う実態のないお金で馬鹿をやる。

 だいたい、風土も資源も何もかも違う所の真似をしようと言う考え方が間違っているのに気づきもしない。
 言うことがね、「海外の良いところを日本風に取り入れて日本の力を上げていきましょう。具体的には....」なんかだと、良いことを言うねえ、てなことになるのだが、「何でもかんでも取り入れりゃ良い、構造改革していこう」じゃ、いくら政府主導でやったところでそれが日本全体に有効になるわけがない。また実験機関のみの成果で終わりになってしまうだろう。

 政府や官庁は国民の税金で動いているのだから、すべての税金を払っている人のことを考えて政策を立てて欲しいものである。

 そうそう、最後の方で中国の市場に日本が入り込むチャンスだとか書いてあるけど、大間違いだと思うぞ。中国をなめたらあかん。日本より優秀な人材はたくさんいる。あんたが使ってるコンピューターとかはどこで開発されて製造されている?アジアは多いぞ。
 中国市場に進出などではなく、中国企業とうまく共存・提携するような進め方を望むぞ。