Koji の勝手な批評


・IME全般

2000.11.13
 最近は ATOK13を主に使用している。
 なぜかというと、うちの環境がWindows2000になったのだが、WXG4の次が出そうにないからだ。
 WXGの候補の拡大表示は捨てがたかったのだが、一応WXGに似た操作性を実現できるし、ATOKに乗り換えることにした。
 ATOK13を使っているのだが、結局この程度のレベルなんだな、という感じだ。何度でも変換ミスはしてくれるし、カスタマイズは少ないし、相変わらず ESCキーで入力文字が消えてしまう位置が早いし。ジャストシステムが難しい専門用語で宣伝しているほど使い物になるとは思えない。
 ちなみに、ESCキーでの入力文字の消去とは、句読点までずらずらと入力後変換するが、その時に変換や文節区切りが間違っているので文節移動をする。
 で、その時に ESCキーを押すと、その文節の変換がキャンセルするところまでは良いのだが、入力ミスなどで前後の変換をもう一度やり直したいときに ESCキーを押すと入力済みがすべてキャンセルされてしまう。
 例えばこんな感じだ。

 「例えばこんな感じです。」と打ち込みたくて「たとえばこんなかんじだす。」と入力してしまったとする。
 「例えばこんな感じ出す。」と変換されてしまったので、「例えばこんな感じだす。」として、「だ」を「で」に打ち直す。
 その後、そのまま変換すると「感じ|です」と文節が切れてしまうので、「感じです」と1つにしたいと思って、ESCキーを押すと、今までの入力すべてがキャンセルされてしまう。

「変換取消」機能が、文節毎にしか効いていないようで、全部の変換文節(入力中)を「変換取消」する機能が別になっている。同じ ESCキーで状況によって「変換取消」「全変換取消」を選ぶことができない状況だ。僕は WXGのキーカスタマイズで使っているのだが、「変換取消(ESC)」「全変換取消(Shift+ESC)」になっているので、使いにくくて仕方がない。結局昔からあったように細かい文節毎に変換するようになってしまう。
 あとは、「>」の変換が少ない(「》」などが標準で出ない)、候補の最大拡大がキーで操作できないもしくは標準で一番大きい拡大にできない(WXGスタイルでは:WXGスタイルしか使わないので他は知らないけど、キーカスタマイズにはなかった)、等かなり不満点はあるのだが、仕方なしに使っている。
 いろいろ要望をあげたいのだが、オンラインで書き込めるところは NIFTYしかなさそうだ。電話でしゃべっても本当に要望としてあげられているかわからないから、電話やFAXで要望あげることはしない。
 この文章だけでも何度誤変換しただろう。
 しかし、Windows2000に正式対応というかこれからも対応しそうで手に入りやすいのが、MS-IMEとATOKしかないのは悲しい。
 せめてもっと細かくカスタマイズできればいいのだが、カスタマイズの効きそうにない基本的な機能に不満があるのだからどうしようもない。


現在、AISOFTのWXG3を愛用している。
いろいろIMEについて思ったことを書いておく。
現在使用しているIMEは、

である。



 僕がWXシリーズを使いはじめたのは、NEC PC98 MS−DOS用のWX3からだ。それ以前は、ATOK6/7とDFJを使用していた。
 ATOK6/7はご存じのようにあの「一太郎」シリーズに付属しているIMEだ。
 あの頃は日本語ワープロとしてたいしたものはなく、まだ「一太郎」が良いものだと思われていた時代だった。
 大学のマイコンには「ATOK」しか入っていなかったので、「この馬鹿野郎」と思いながらも使用していた。大学の研究室には、「一太郎」のほかに、なんとこの頃めずらしい「P1.EXE」(現ARUGA)が入っていた。早速このワープロを使ってみると、非常に素晴らしいできだということがわかった。一番良かったのは、「操作性」、「罫線」と「IME」だ。
 この IME は、「DFJ」 という名前だった。
 「DFJ」は非常によくできたIMEだと思う。
 まあ、これは意見の分かれるところだと思うが、まだ「ATOK」が本当のばかだった頃、このIMEは、長文の入力によって本領を発揮した。「ATOK」が長文の入力で、とんでもない変換をしてくれるところを、「DFJ」はなかなかうまく変換してくれた。
 まだあの頃は、文節変換からやっと抜け出たぐらいの頃で、長文といっても前後関係をそう詳しくチェックしていたわけではない。何かで聞いたのだが、NECのAI辞書も、ATOKも文節毎に変換した方が良いと言われていた(風の噂(^_^;)。長文は苦手だと。僕は使ってみて本当にそう思った。僕は大体が長文を一気に変換するので、このようなものは困りもの。特にATOKは物忘れがひどく、ずっと同じ変換結果を使っているにもかかわらず、すぐに初期値に戻ってしまう。僕が使わない単語を真っ先に変換項目に出してくれる。DFJの場合、確実に同じ変換文字列が最初に来る。ただ、よくあるパターンで、一度違う変換をすると学習してしまって、また変換し直しになる。まあ、これはご愛敬。あんまり賢くないけど正直で頑固者、って感じでよろしい。ATOKもAI変換とやらで、文脈を判断して、などと言っているが、このようなものはある意味で余計なお世話である。
 一人の人間が書く文章は、やはりくせがある。使う言い回しなど似たようなものになりやすく、また、使う熟語なども似通ってくる。これは、僕の少ない経験でだが、たとえ小説家だろうが同じだと思う。やはりまるで違う人間のようには書けない。もちろん、口語と文語で文体が違う人はいる。だが、こういう人でも、やはり言い回しなどは似ている。海外文庫の場合でも翻訳家を見てしまうのは、そういうことである。自分に合った文体ってのがあるのだ。
 で、「DFJ」は、僕の書く文章に非常にマッチしていた。(と思う)
 頑固に前に学習していたものを忘れていない。
 間違って変換しても、操作性が良いので再変換が楽にできた。
 「P1.EXE」の次のバージョンがでて、「DFJ2」になった時も、更に良くなっていた。
 操作性も前と変わらず良好で、変換効率が良くなっていた。
 会社に入ってからも使い続けたのはこれも大きな理由の一つである。
 幸いなことに、前々から使っていた会社の先輩達の評判も良く、会社の文書は「ARUGA」で、ってことになった。
 その頃、友人から、WX2を薦められた。このIMEは操作性も柔軟にカスタマイズできて変換も賢いということだった。
 「ARUGA」でも使用できたので(もちろん登録はできなかったが)、早速使ってみた。
 この時、操作性を「DFJ2」と同じにしたのは言うまでもない。
 で、使っていくと、このIMEが非常によくできているのがわかった。思わず会社の先輩達に薦めていった程である。
 何が良いかというと、これも僕の書く文章にマッチしていたのである。
 僕の文章はこの文章でもわかるとおり、かなりいい加減である。口語と文語のごちゃまぜになったような、えらい適当な文章である。それでも、このIMEは大体見事に変換してくれる。僕はシステムエンジニア兼プログラマであるが、ソースコメントなどでも短文を書く時がある。こういう時にさくさくとご変換が少なく変換してくれるのが非常にうれしい。同業の人ならわかると思うが、仕事中は思考を中断したくない。その時その時に集中している。ここで、誤変換が多かったりしてストレスが溜まるようなIMEだと仕事にならない。最初はいいが、せめて2回目はきちんと変換してくれなければ困る。たとえそれが変な文章でも、同じような文章ならその通りに変換してくれなければ。それに適合したのが「WX」シリーズである。
 ちょうど「ARUGA」もDOS版で打ち止めのようで、Windows版は作らない(作れない?)ようだったので、完全に乗り換えてしまった。
 WX3も出て、思わず僕は、個人でも買ってしまった。うちにはNECPC98とIBM/AT互換機があるのだが、結局両方とも買ってしまった。それぐらい気に入ったのだ。MS−DOS/Vには「MS−IME」というものが付属していて、これは明らかにWX2の焼き直しを思わせたが、やはりWX3の方が良かった。NEC->IBMの順で買ったのだが、やはりNECでWX3を使っていたので、IBM版も買った。知り合い全てにも薦めてしまった。
 知り合いの中には、「松茸」や「刀」を使っている人もいたので、少々使わしてもらったが、やはりWX3が最高だと思った。ただ、ワープロに付属していたとか、データベースに付属していたとかいうIMEは、そのワープロやデータベースを使う時は付属のIMEを使わなければいけないという制約がでてきてしまっていた。幸いWX3はATOKを意識していたとみえて、アプリケーション側からATOKに見えるドライバーも付属していたので助かった。このおかげで、アプリケーションがATOKを指定していたものもほとんど使用可能になった。これまた幸いなことに、その他のIMEを指定していたアプリケーションで使用しなければいけないようなアプリケーションがなかったので、WX3にどっぷりとはまってしまった。ドライバーもATOKのように怪しげな動作をしていなかった。
 それからである。WXシリーズと切っても切れ内縁で結ばれてしまったのは。
 現在、OSはWindowsでWXG3にまでなったが、やはり以前と同じ(良い意味)で、大変重宝している。
 言い忘れていたが、操作性はWXシリーズにしている。「DFJ」とほとんど変わらない使い勝手の良い操作性だからだ。



 WXGを使っていて、これは非常に便利だと思う機能。

 他に見たことがないのだが、再変換した時に、再変換の文字が指定した大きさになる。これは便利。やはり解像度を上げていると文字が小さいのだが、再変換すると変換ウィンドウの文字が大きくなる。僕はデフォルトの24ドット文字を使用しているのだが、これが見易い。他のIMEの場合、現在入力中の文字と同じ大きさになってしまう。これでは誤変換の確認ができない。まさか(!)変換ミスをしないと言っているわけではないと思うのだが、なぜ他のIMEはそうしないのだろう。
 これはMS−IMEに声を大にして言いたい。マイクロソフトはユーザー補助だとかほざいているくせに、そのぐらいの事をしろよ。ユーザー補助のターゲットは身体障害者の人達だけか?身体障害者の人達でも、普段は小さい文字でもいいが変換する時は大きな文字で、とか思っているはずだ。
 他のIMEプロジェクトチームはどう考えているのだろう。ユーザーの声にそういうのは無いか?まさか二番煎じはいやだとか思ってないと思うが、本当のプロと呼べない開発者はそういうしょうもないことを考える時がある。さあ、IME開発者のみなさん、こういう便利な機能はどんどん自分のIMEでも採用しよう!!
 やはりIMEの競合製品はどこで他社と差をつけるかというと変換と操作性だと思う。変換が負けてないと思うのなら、操作性を良くしろ。僕がWXGを使用する理由の一つはこの機能である。



 WXGの直して欲しいと思っている機能。

 変換の学習で気に入らないところがある。これはカタカナ/英字変換の学習である。実はどのIMEでも同じだったのだが、ファンクションキー「F7」/「F9」でカタカナ/英字変換したものを学習してしまう。再変換機能で出したカタカナ/英字を学習してくれるのはありがたいが、「F7」キーで出したカタカナ/英字を学習してくれるのは困る。今回だけカタカナ/英字に変換する機能が欲しい。僕としては、再変換の候補としてカタカナ/英字も出しているので、ファンクションキーだと学習しない方がうれしい。
 なぜこのように言うかというと、いまだに「ふりがな」をカタカナで入力させるものが多いからだ。漢字で入力した後、カタカナで入力して、次に変換する時にはカタカナになっている、これでは使い勝手が悪いと思う。
 IME の学習についてマイクロソフトの指針は無かったと思うので、ぜひ変更してもらいたいものだ。もちろん、環境設定で変更できるのが良い。F7/F8/F9の場合は、学習しないっていう設定。便利だったら標準になるって。

 と、思っていたら、学習項目でカタカナを学習項目から外すとまあ、思ったとおりの動作になった。意味は違うみたいだが。
 変換候補での順序というか、「派生」となっていたので、カタカナ表記を学習するのではなく、カタカナ表記もあるということを学習したようだ。
 と、僕は思う。(自信無し(^_^;) たぶん「派生」の意味ではこうなるのだろう。
 まあ、とりあえずこれでもいいか。

 変換の学習でもう1つ気に入らないところがある。英字変換で学習する時に慣用句になってしまうことだ。できれば名詞のほうがいい。英字に変換する単語って、普通名詞じゃないの?僕だけかなあ。名詞にしてくれたら、次からの変換でも気持ちよく変換できると思う。



 他のIMEについて。

 他のIMEは、古いものしかあまり使い込んでない。WXGを使いはじめてから他のIMEに切り替えることはしなくなった。
 もちろん、他のIMEをインストールすると、一応1週間から2週間は使い続けてみる。
 しかし、変換効率自体はそう変わらない。もちろん微妙な違いはあるのだろうが、数%誤変換率の違いがあってもわからない。
 やはり、操作性が問題である。
 まあ、どのアプリケーションでも使い込んでくると慣れるのだが、使い比べてみると差が分かる。僕は職業柄、他の製品もある程度は使い込んでみる。それでないとあまり評価できないからだ。お客さんに薦めることもできない。よく雑誌を見てると比べてみる時にある一定の基準を設けているが、あくまでも数値として出てきる基準でしかない。それぞれをある程度使い込んでみていない。やっぱり全部使い込んでみてから出ないと評価できないと思うのだが。
 で、僕のお薦めはWXGである。